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ジャパメタに関して悔い改める

 以前ブログに「初期LOUDNESSのタイツ&白ブーツといった恰好はきっつい」みたいな戯れ言を書いたことがあったが、全面的に撤回させていただく。もちろん、80年代メタルのタイツだのスパッツだのに白ブーツを組み合わせたファッションそれ自体はきっついもんだと今でも思っている。ALCATRAZZのビデオを見るたびに、やっさんファッションが超イケているグラハム御大はともかくとして、ドラマーのヤン・ウヴェナのタイツ姿はどうにかならんものかと未だに思う。しかしそういう恰好をしている人物の人となりやアティテュードを含めて見るにつけ、LOUDNESSがこれをやっているのは非常に格好いいものだと全面的に肯定せざるを得ない。LOUDNESSにこれまできちんと向き合っていなかったおれの浅はかさが、あのような戯言を吐き出させる事となってしまったのだろう。まったくもって情けない。
 おれの認識を改めさせてくれたのは、ムック本「ジャパニーズ・メタル」に載っていた1枚の写真であった。
japameta.jpg
 もう、コレを見た時の衝撃と言ったら半端じゃなかった。今までLOUDNESSの写真は腐るほど見てるし似たような衣装を着ている(或いは同じ衣装だったかもしれない)写真も見ていたと思う。しかしこの見得の切り方は初めて見た。このニィちゃんとタッカンのすさまじい形相は、もうまさに「天下取ったる!」という覇気に満ち満ちており、途轍もなくヘヴィメタルサンダーなショットであるといえる。マー君のこの悩ましげな表情も貴重だが、この中に真っ直ぐな鉄の棒でも入っているのではないかと思ってしまうほどに力強くまっすぐ伸びた右腕が、彼がワールドクラスのバンドのベーシストであることのみならず、後にがまかつのフィールドテスターとなるほどの釣師としての存在を誇示しているかのようだ。同じゼブラ柄でも「ヘヴィ・メタル・パーキング・ロット」のゼブラマンとはオーラが違いすぎる。そして重鎮である故・ひぐっつぁんの重厚な存在感。こんな穴あき網タイツを穿いていても渋いひぐっつぁん。決して老け顔ではないのに20代でこの存在感はなんなんだと。もう死ぬほど格好いい。そして「EUROBOUNDS」のDVDを観ると、あまりの格好良さに悶絶。LOUDNESSと同じ国に生まれた奇跡に感謝したくなるほどだ。こうした気合の入り方がライヴの演奏にもしっかりと反映されているのが見て取れるのがいい。技巧派のギタリストはともすれば棒立ちで指板を凝視しながら丁寧に演奏する姿がライヴでも見られがちだが、タッカンはせわしなく動きながら力強くフィンガリング、ピッキングするさまがこれでもかと伝わってくる。やはりメタルは「強さ」を感じさせる音楽であって欲しい、当時のメタルファンが抱いていたそういう願望を満たしてくれるのがLOUDNESSであったのだ。
 今にして思えば、おれなどはLOUDNESSの全盛期に間に合わず、高校生ぐらいの頃には既に大御所であり「とっくに落ち着いた大人のやってるバンド」という先入観があったのだろう。その後、遡って音源を聴き、LOUDNESSの音楽性の素晴らしさは認識したものの、バンドそのものの価値というものを見過ごしていた。これからは悔い改めて、音楽の良し悪しだけでなく、バンドやミュージシャン自身の持つ魅力そのものを感じるような音楽鑑賞活動を行なっていきたいものである。
LOUDNESS 「In The Mirror」

※「EUROBOUNDS」収録のライヴ。ヨーロッパのファンたちがここまで熱狂するのは、曲や演奏の良さは勿論のこと、LOUDNESSの持つ熱気が観客たちに十二分に伝わっているからであろう。

 ジャパメタと呼ばれるシーンでは、LOUDNESSと44MAGNUMのファッションが基本となっているのであろうが(44MAGNUMに関しては後日機会を改めて記事にしたい)、たとえばメジャーどころのXなんかもこの系譜をしっかりと踏襲しており、インディーズ時代にはこのような写真をEPのジャケットにしている。
japameta01.jpg
 夜の公園でヘビメタ4人が写真撮影をしているという図を想像するだけでもワクワクする。手前のヨシキと向かって右のジュン(高井寿)のしっかりとしたカメラ目線に比べ、中央のヒカル(宇高光)のどこか不安げな表情、そして左端のトシの視線のズレっぷりとどこか様になっていないポージングが、まだまだこのバンドがこの時点では未完成であったことを窺わせる。

 ―――ラウドパークの帰りにまたもや寄った高円寺のレスカフェで、友人M君の知己である常連客のO氏に前述のLOUDNESSのことを話したところ「あの頃のラウドネスがやっていることがダサいわけがない。認識を改めたとはいえ、そうだと少しでも感じた君のほうがおかしい」とズバッとキツイことを言われてしまった。このO氏は高円寺の地元っ子であり、メタルのみならず、ノイズやハードコアなどに精通している方で、いろいろ興味深い話を聞いたが、その中でもO氏自身が10代の頃に“万引き”ならぬ“万押し”をしょっちゅうしていた、と話していたのが興味深かった。「マンオシってなんスか?」と尋ねると、O氏がノイズを一音出しては録音し、また別の一音ノイズを出しては録音し、というのを繰り返して作った音源をアセテート盤に記録し、レコード屋に勝手において行ったというのである。「勝手に持っていくのが万引きだから、勝手に置いてくのは万押しでいいでしょう」とのこと。よくミュージシャンの人が「昔、勝手に推薦ラベルを作って、CD屋においてある自分のCDに貼り付けてた」などと言っていたことを見聞きしたような覚えがあるが、まぁ、上には上がいるものである。
 90年代前半に、都内でようわからん紙袋に入っていた正体不明のアセテート盤を入手したという人がいたら、それはO氏が“万押し”したレコードかもしれない。



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