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ジョン・ロード死去

 夏風邪をひいてしまった。昨日、水戸に卍LINEが来るというので観に行こうかと思ったら、突然めまいがして動けなくなってしまった。38度6分の熱が出てしまい悪寒が酷く、今年一番の暑さだったにも拘らず、ガタガタ震えてコタツを引っ張り出して潜り込んでしまう始末。もっと早い時間に出かけていたら、水戸のクラブの中でぶっ倒れてえらい事になってしまうところだった。
 そのまま寝込んでしまって、未明に目が覚めると、汗をびっしょりかいて、とても気持ちが悪い。まだ熱が下がりきらなかったが、目が覚めてしまったのでベッドに移動し、横臥したまま携帯でネットを見ていると、元DEEP PURPLEのキーボード奏者であるジョン・ロードの訃報が目に入った。昨年、癌であることを発表していたのでそれほど驚かなかったものの、なんとも寂しい限りである。

 所謂第1期DEEP PURPLEに於いては、彼が主導権をとってオルガンをメインに据えたいわゆる「アート・ロック」などと呼ばれるタイプの音楽をやっていたが、これがなかなか面白い。どうしてもリッチー・ブラックモアが主導権をとったハードロック期のイメージが強いパープルであるが、実は第1期の時にリリースしたジョー・サウスのカヴァー曲「Hush」が全米4位の大ヒットとなっており、パープルのシングルで最もアメリカのチャートアクションが良かった作品である。KULA SHAKERも同曲のパワフルなカヴァーをしているが、もろにロードに影響を受けていることが窺えるキーボーディストのジェイ・ダーリントン(後にOASISに加入)の趣味が全開となっている。
DEEP PURPLE「Hush」

※PLAY BOY誌のオフィスビルで収録されたテレビ番組。冒頭でブラックモアにギターを教わっているのは、創業者のヒュー・へフナー氏。それにしてもロッド・エヴァンス(Vo)の衣装はもうちょっとどうにかならなかったものか…

KULA SHAKER「Hush」

※イントロのパーカッシヴなオルガンの演奏や、筐体の傾けなど、ダーリントンのロードッぷりが全開となっている。

 2ndアルバム収録の聖歌のようなバラード「Anthem」や、3rdアルバム収録の「April」のようなプログレまがいの長編曲など、ロードの趣向を前面に押し出した名曲がある。ライヴでは2nd収録のインストナンバー「Hard Road」が「Wring that Neck」と改題されてメンバーのアドリブ合戦となっていたが、その凄まじさたるや筆舌に尽くしがたく、CREAMやLED ZEPPELINを超えるライヴを行っていたのではないかと思う。実際、CREAMのUSツアーに前座で回っていたら、パープルの方が盛り上がってしまうということで前座から外された事もあった。しかし、後のロイヤル・アルバート・ホールでのCREAM解散ライヴにはパープルを前座で起用している。
DEEP PURPLE 「Wring That Neck」

※69年のベルギーに於けるビルゼン・ジャズ・フェスティヴァルでの第2期にメンバーチェンジした直後の演奏。あまりにも圧倒的。巧いとかそういうレベルではなく、ただただ凄いとしかいえない。

 ブラックモア主導になってからはあまり曲作りのインプットはないが、「Highway Star」や「Burn」のようなバロック調(というか、そのまんまバッハ)のオルガンソロを組み込んで、曲に強烈なインパクトを与えていた。ジム・マーシャルが亡くなったときの記事でもちょっと書いたが、ハモンド・オルガンは通常「レスリー・スピーカー」という、スピーカーユニットが回転してドップラー効果を作り出す特殊なスピーカーシステムで鳴らすのが定石であるが、ロードは第2期に於いてはオルガンにマーシャルアンプを繋いで、アンプをオーバードライヴさせたディストーションの効いたオルガンサウンドを出すことで、ハードロックにマッチしたサウンドメイキングをしている。第3期ではソウルっぽい要素が増えたためか、レスリー・スピーカーに戻している。ちなみに第3期の時に出演したカリフォルニアジャムでは、キーボードのところにフェンダーのアンプが見えたけど、あれにはシンセ(アープのオデッセイ)を繋いでいたのだろうか?

 また、DEEP PURPLE解散後にはWHITESNAKEに参加している。一時期はメンバー6人中3人(カヴァデール、ロード、ペイス)が元パープルなどという状況となっており、85年のDEEP PURPLE再結成の時もロードは「カヴァデールをヴォーカルにした方が良い」と提案していたらしいが、ブラックモアが「ギランじゃないとやらない」と突っぱねたため、第2期の布陣での再結成になったようだ。ブラックモアは実際にギランを嫌っていたが、カヴァデールの事はもっと嫌いだったようで(80年ごろ、RAINBOWの楽屋を訪れたカヴァデールをいきなり殴りつけている)この形での再結成になったが、この後カヴァデールのWHITESNAKEが天文学的な成功を収める事になったというのはなんとも皮肉である。
 しかし、ジョン・ロードとイアン・ペイスの参加しているWHITESNAKEのほうが好きだというマニアは結構多く、「Fool For Your Loving」のリメイクで「ふざけんな!」と声を上げたオールドファンの気持ちに対し、当時は何でそんなにおっさん達怒ってるんだろうとも思ったが、最近は良くわかる。とばっちりを受けて戦犯扱いされたスティーヴ・ヴァイはたまったものではなかっただろうけど。ゴージャスでアメリカンなWHITESNAKEもいいけど、ポリープの手術で高音がスムーズに出るようになる前のマイルドな中音域の声で歌うカヴァデールに、ツインギターが絡みつき、ニール・マーレイの派手なベースライン、ペイスのスウィングしたドラムと、ブルージーなロードのオルガンが乗るスタイルもまた恰好いい。このように、クラシック嗜好ばかり取り沙汰されるロードもやはりロックンローラー、ブルージーなプレイもお手の物なのである。2002年にパープルを脱退した後に結成したJON LORD & THE HOOCHIE COOCHIE MENはバンド名のとおりのブルージーなバンドだった。
WHITESNAKE 「Fool For Your Loving」

※ルックス的にもこの頃のカヴァデールが一番恰好いい。一方、ロードとペイスは一見すると誰だかわからない…

JON LORD & THE HOOCHIE COOCHIE MEN 「24/7 Blues」

※ロードの懐の深さが垣間見える。曲によってはこれにお得意のバロックフレーズを盛り込んだりするところが流石である。

 先述のようにDEEP PURPLEを脱退していたが、2009年のDEEP PUPLEの来日公演の最終日に「Perfect Strangers」でゲスト参加した。しかも、ギランが全く紹介しなかったので、ロードが弾いていることに気付かなかった人もいたという。この辺がギランらしいというかなんと言うか。黙って入れ替わる現キーボーディストのドン・エイリーもその辺のイングリッシュ・ジョークはお手の物である。そのままエイリーに加え、前座のイングヴェイ・マルムスティーンも参加して、豪華メンバーでの「Smoke On The Water」の演奏が行われた。日本ではこれがロードを観る最後のチャンスであった。正直、現在のイングヴェイにもパープルにもそれほど魅力の感じていなかったおれは、当然このライヴには行かなかったわけだが、なかなかレアなイベントであったとこは間違いないだろう。

 71歳という決して若死にという年齢でもないので仕方ないという気持ちも強いが、よくある「あの世で観たいスーパーバンド」の常連となりそうな方の逝去であった。とりあえず、ゲイリー・ムーアやフィル・ライノット、コージー・パウエル、ロニー・ジェイムズ・ディオあたりとセッションしているだろうか。R.I.P
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