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久々にメタルのライヴを観た

 震災以来、IRON MAIDENの震災直撃公演中止を皮切りに、ANTHRAXの度重なるツアーキャンセルの末、全く予定が合わない日程での再公演、JUDAS PRIEST、MICHAEL SCHENKERなど、ことごとく仕事が忙しい日に限っての関東公演というライヴ日程のめぐり合わせの悪さを乗り越え、やっとのことで純粋にお客さんとしてメタルのライヴを観ることができた。4月24日、DREAM THEATERのSHIBUYA-AX公演である。DREAM THEATERを観るのは5度目。2004年の武道館、2006年の国際フォーラム、同年SHIBUYA-AX、2008年の武道館、そして今回2012年のSHIBUYA-AX。メジャー系の外タレでは一番ライヴを観ているバンドである。市内の同業者の友人に、特段メタルが好きなわけではないのだが、DREAM THEATERに関してはものすごく好きだという奴がおり、彼奴が率先してチケットを取ってくれる為、観に行く機会が多くなったというわけだ。
DREAM THEATER 「Take The Time」Live

※彼らの「再デビュー」直後の93年来日公演。高校生の頃この曲を初めて聴いて、「こんな音楽があるのか!?」と度肝を抜かれた覚えがある。2008年の武道館でもこの曲が演奏されたが、1コーラス飛ばした短縮版で、思い入れのある曲だけにガッカリした。

 今回の渋谷公演は元々予定になかった追加公演である。関東の本公演は4月30日の横浜アリーナなのだが、来日が決定する前にこの日は自分のバンドのライヴをブッキングしてしまった。しかし、今回は全く根拠は無いが(強いてあげれば、2006年の例があったからだろうか)クラブギグの追加公演があるという予感めいたものがあったのだが、見事に実現し、関係者各位には勝手に御礼を申し上げる次第である。2006年の来日ツアー以降は、2008年に武道館1公演のみの来日、2010年にサマーソニック出演のみの来日(こちらは観に行っていない)ということで、地方公演を含む日本ツアーは本当に久しぶりである。そこで横浜アリーナという大会場とはいえ、東京公演がこれ1回という事はないだろうと踏んでいた訳だが、的中したというよりは、追加公演が入って本当によかったという嬉しさが強い。

 それにしてもこのバンドほどホールで観るのと、クラブで観るので客のノリが変わるバンドも珍しい。特に2006年の国際フォーラムでは、おれと友人がバカみたいにノってて、ふと周りを見ると殆ど棒立ちだったということがあった。ライヴの内容は演奏、セットリストともに素晴らしいものだったのだが、メタルのライヴとは思えないほどにお客さんがおとなしいのである。メタルとはいえ、緻密でテクニカルな音楽なため、じっくり聴きたいというお客さんも多いだろうし、なんといっても曲中で単純拍子、複合拍子、変拍子が目まぐるしく入れ替わる可変拍子の楽曲が多く、ノリ辛いのも無理もないといえば無理もないのだが。しかし、ステージ上を見ると、特にドラムのマイク・ポートノイが会場を盛り上げようとショウマンシップに溢れたパフォーマンスを展開し、観客を煽ったりもしているのである。この日は平日(木曜)だった為に客入りも良かったわけではないのだが、2階席を封鎖して、1階にお客さんを集めて1階席は満杯にしていたので密度はそれなりにあったと思うし(ちなみに翌日の公演は金曜だったので全館ソールドアウトしていたそうだ)、「これはもっと盛り上がらんと、バンドさんも気持ちが上がってこないんじゃないかなー」などと思った。最初に見た武道館公演は2階のスタンドでまったり観ていたのだが、アリーナを見ても手を上げている人や頭を振っている人はチラホラしか見えず、セットリストが盛り上がりに欠けるものだったから、あまり盛り上がらなくても仕方ないかなー、などと思っていたのだが、この国際フォーラム公演は「後半はまったり系だったけど、前半はこれが盛り上がらないわけ無いだろ。しかもアンコールはもはや死んでもいいくらい素晴しかった」的なセットリストだったので、終演後に友人と「ラブリエ(ヴォーカル)も絶好調で、前回の武道館より比べ物にならないくらいよかったなー」などと話していたのだが、その一方で「あの客席の雰囲気ではバンドはやりにくいだろうなぁ」と思ったものである。
DREAM THEATER「New Millenium」Live

※2004年の武道館公演。初めて行ったDREAM THEATERのライヴ。この曲でチャップマンスティックの演奏を生で観られたのが嬉しかった。

 しかし、週明けの追加公演、クラブギグであるAX公演は「一体、先週のアレは何だったんだ?」というような盛り上がりだったのである。割と整理番号が良かったのもあったが、更に押されてるフリをしてするすると前の方に行ってしまって、二列目程の位置で、ベーシストのジョン・マイアングのあまりにも華麗な指捌きを目の前で堪能したわけだが、それにしても予想外の後ろからの圧力には驚かされた。同会場で観たCHILDREN OF BODOMやMEGADETHのときのように、後ろからひっきりなしにクラウドサーファーが押し寄せるようなノリでは勿論なかったが、過去のDREAM THEATERのライヴの経験からこんなことになるとは思わなかったのである。フォーラム公演とは全くセットリストが違っていたが、同じ内容のセット、同じ内容の演奏でも、恐らくこの会場でやっていれば大盛り上がり大会であっただろうということは想像に難くない。やっぱり、メタルのライヴはスタンディングに限る、と思ったものである。友人は細君連れ(勿論、全くDREAM THEATERに興味なし)だったので2階の指定席での観戦だったが、「いやー、盛り上がった盛り上がった。上から見てたけどフロアーは凄いことになってたね~」との事であった。2年後の武道館公演はそれなりに盛り上がったものの、「やっぱ、椅子が並べてある会場ではノリがイマイチかなあ」などと思ったものである。…以上の前提をわかっていただければ、今回のAX公演が決まった時のおれの嬉しさも何となく理解できるのではなかろうか。
DREAM THEATER「About To Crush(Reprise)」~「Losing Time/Grand Finale」Live

※2006年のニューヨーク「ラジオシティ」公演。さすがUSA、ホールでも変拍子でも知った事かとばかりに大盛り上がりである。同年の国際フォーラムでも同じ曲をやったが、この曲の歌詞は、メンヘラねえちゃんとお付き合いした事がある人にとっては身に詰まされるような内容である。

 ライヴ当日、前日から用事で東京入りしている友人とは会場で落ち合うことになっており、おれは昼までに仕事を済ませ、電車にて東京に向かう。開場が18時なのだが、17時30分には会場に着く予定である。16時40分ごろ、乗り換えの上野駅で友人に電話を入れると「道路が混んでてこのままだと間に合いそうにないから、車を本八幡に置いてそこから電車で行くわ」とのことであった。友人がおれの分のチケットも持っているため、ちょっと穏やかじゃない連絡であったが「今から本八幡なら、途中で快速に接続すりゃ、同じくらいに原宿に着くか」と思ったので、特段気にも留めずに会場で落ち合うことを確認し、出発。17時20分頃に会場に到着。彼奴はまだ到着していないようだったので連絡を入れると「今、水道橋」などとのたまう始末。あの野郎、各駅でずっと行くつもりかよ、本当にギリギリじゃないかと。指定席なら開演の19時までに行けばいいが、スタンディングなので開場時間までに来てもらわないと困る。何しろ先述のとおり、おれの分のチケットも彼奴が持っているので気が気じゃない。大体、前日から都内にいるはずなのに、なんで千葉にいるんだよと。普通のライヴなら開場の10分押し30分押しは当たり前だが、DREAM THEATERのライヴは決まってやたらと仕切りがいいので、滅多に時間が遅れるなどという事はないのである。いずれにせよ、おれが心配したところで電車のスピードが上がるわけでもないので、気持ちを切り替える。会場外でマーチャンダイズの先行発売ブースがあったので「何か買っておいてやるか?」と訊いたが「着いてからでいいわ」との事だったので、取りあえず自分の分の買い物を済ませてしまうことにする。おれがパンフレットとTシャツとキーチェーンを買い、支払いを済ませたところで「グッズの先行発売は今並んでいる方の分で終了しまーす」と、係員の声が飛んだ。あちゃー、と思ったが、彼奴は終演後に目当ての物が買えたので結果オーライ。グッズと荷物をロッカーにしまい、彼奴の言っていた整理番号のエリアで列を作って待機。開場5分前に彼奴も到着し、無事チケットを受け取ることができ、入場。

 フロアーに入ると、SEでAEROSMITHの「Love In An Elevator」が流れている。メタルのライヴはSEもおれ好みの曲ばかり流れるので最高だ。AC/DCの「Back In Black」、RUSHの「Crossroads」などを堪能していると、何故か王様の「Black Dog」が流れてきた。誰だ、こんな選曲したのは、と苦笑。そのうち場内アナウンスが流れてきたのだが「プロ仕様のカメラでの撮影は禁止させていただきます」という一節が気にかかった。恐らく、一眼レフのことを指しているのだと思うが、携帯やコンパクトデジカメでの撮影はOKということであろう。これは、デジカメを持って来ればよかった。おれの携帯はカメラ機能など殆ど使い物にならない代物で、ライヴ会場のような暗い所ではもう如何ともし難い。これ以降、クリエイティヴマン主催のライヴではコンパクトデジカメを持っていく事を心に誓った。会場の入りも上々。少数の当日券が出たものの、ほぼ全枚数売り切ったとの事である。ふと2階席を見上げると、2階席中央最前列のプラチナシートには伊藤セーソク大権現がマスク姿で鎮座ましましていた。やはり、あの位置でライヴのレポートを作るのであろう。テレビ番組ラジオ番組雑誌と多数のレギュラーの仕事を抱えている日本のメタルゴッドは相変わらず80年代と容貌が変わっていない。御三家の他の2人(渋谷陽一・大貫憲章)はかなり見た目がアレになってしまったが、セーソク先生は本当に若々しくて何よりである。

 定刻の19時に会場が暗転、オープニングアクトの登場である。今回の来日ツアーでは、アコースティックギター奏者のアンディ・マッキーが前座として出演。「こんばんわ。アンディ・マッキーです。日本語ちょっとだけわかります」という挨拶で会場はやんやの喝采。歌はなく、全編アコースティックギターのみのインストゥルメンタルである。左手のトリルでコードを鳴らし、右手のピッキングとタッピングでメロディを演奏しながらボディを叩くギターパーカッションを駆使して、1人でアンサンブルを構築していく見事な演奏に会場は息を飲んだ。そして、ヘンテコリンなギターを取り出すと会場は騒然。「これはハープギターです(英語)」という説明がなされると、会場中から「ハープギター…」と言うつぶやきが至る所から聴こえてくる。なるほど、ハープのような形をしている。といってもハープの音が出るわけではなく、むしろベース音を出す為に太い弦が張られている構造であった。初めて見る楽器に興味津々であったが、勿論単なるこけおどしの類ではないところを魅せる演奏で会場を魅了していた。曲が終わるとハープギターをチューニングし音を出して調律具合を確認したところで「この曲はこれでおしまいです(英語)」というと、会場は笑いに包まれ、ジョークが受けてご満悦の表情。最後は普通のアコースティックギターに持ち替えて演奏し、曲のエンディングでDREAM THEATERの「A Change Of Seasons」のイントロが演奏されると、大きな歓声がわき上がった。出番を終えたアンディが退場する時には会場中がアンディコールで包まれたのであった。
ANDY MCKEE「The Friend I Never Met」

※ハープギターによる1人アンサンブルの妙技

 アンディが退場すると、ステージ上の暗幕が落ちて、DREAM THEATERのセットが露になる。ヘキサゴンのスクリーンが3つ並んでいるバックドロップがメインの装飾だが、何より目立つのは今作から加入した新ドラマーのマイク・マンジーニのドラムセットだ。詳細は呼び屋のページを参照。このページには「要塞のようなドラムセットは必見!」とあるが、どちらかと言えば、テキヤの屋台といったような印象を受けた。いずれにせよ、非常に個性的で否が応にも期待は高まる。そして19時50分頃、会場は暗転。スクリーンにオープニングアニメーションが映し出され、DREAM THEATERのライヴが開演。アニメはDREAM THEATER版YELLOW SUBMARINEと言ったところか。もっとも潜水艦ではなく飛行機だったが。後ろからの圧力で多少前の方に押し出されたが、今回は前から6~8列目あたりに落ち着いた。丁度、右手に仕切り柵があり、そこに肘をかけて観戦。今回は非常に快適にライヴを見ることができた。

 毎度のことだが、演奏のレベルの高さは溜息が出るほど凄い。今回もベースのジョン・マイアングの前のポジションで見たが、相変わらず惚れ惚れするような指さばきであった。その隣にいるキーボードのジョーダン・ルーデスもさすがジュリアード出身、非常に堅実な演奏を聴かせる。ジョン・ペトルッチは正確無比な演奏の中にもところどころロックギタリストらしくラフな音も絡めてきて、単なるスタジオ音源の再現演奏ではなく、ロックンロールショウであると主張してくる。そして、近年好調なジェイムズ・ラブリエの歌は、この日も絶好調であった。

 さて、屋台の中に陣取る新加入のマイク・マンジーニだが、その驚異的な演奏技術、ポートノイの流麗なプレイとはまた違った強弱のメリハリのついたプレイは彼の個性を充分に発揮していた。しかし、さすがに実質的バンドリーダーであった前任者のポートノイ(その彼が放逐されたというのもなかなか凄いことだが)と比較すると、その存在感に於いてはやや希薄であると言わざるを得ないが、その分バンドの中に自然に違和感なく溶け込んでいるともいえる。EXTREMEに加入した時もその他のメンバーとは一線を置いている感じだったし、エディ・ジョブソンなど、数々の名プレイヤー達のバックを務めていたので、「あくまで自分はバックバンドの1人」という認識を持って、でしゃばることなくバンド全体のアンサンブルをまとめる役目を自分に課しているのではないかと思う。実はマンジーニを生で観るのは2度目で、前回は97年に台場で開催されたフェス「ROCK AROUND THE BAY ’97」を観に行った際に出演していたスティーヴ・ヴァイのバックメンバーであった。そのときは主役のスティーヴ・ヴァイの圧倒的な存在感に加え、ヴァイと絡むでかいハットをかぶったギタリスト兼キーボードプレイヤーのマイク・ケネリーと、バキに出てきそうな容貌で、ベースとショルダーキーボードが合体したけったいなベースを操る黒人ベーシストのフィリップ・バイノというアクの強いメンバーだった為、マンジーにはそのプレイの凄まじさの割りに余り印象に残らなかったような気がする。DREAM THEATERもこのままポートノイの復帰などがなく、マンジーニ参加の作品が作られていけば、自然に存在感は増していくのじゃないかとは思うのだが。さすがにドラムソロではバンド演奏と一転しての凄まじい打数の片手のスネアロールや、左手と右手が恐ろしいまでにシンクロした脅威のタム回しが炸裂。屋台の中で見せる職人芸はまさにこのライヴが「祭」であることを実感させた。
STEVE VAI 「There's A Fire In The House」Live

※自分が行ったライヴが後日放送されたり商品化されたりすると損した気分になる。単発公演ならいいのだが、このときも2日間の公演でWOWOWが撮影・放送したのはおれが行った日だった。どうせなら観られなかった日のライヴを観たいのが人の性というもの。また、この日の台場はこのフェスとコミケが同時に開催されており、臨海副都心線の車中はオタクとヘビメタがひしめき合う地獄絵図が展開されていた。

 ライヴは当然新譜からの曲を中心としたセットだったが、2曲目にアルバム「AWAKE」から「6:00」、5曲目にアルバム「OCTAVARIUM」から「The Root Of Root Evil」、6曲目にアルバム「WHEN DREAM AND DAY UNITE」から「A Fortune In Lies」と、過去のアルバムの1曲目のナンバーが演奏されていた為、「今日のテーマは1曲目完全網羅か?」と思ったが、結局ただの考えすぎだった。その後演奏されたアルバム1曲目ナンバーは、新譜「A DRAMATIC TURN OF EVENTS」から「On the Backs of Angels」と、アンコールで演奏されたアルバム「TRAIN OF THOUGHT」からの「As I Am」に留まった。未だにおれの大好きな「SIX DEGREES OF INNER TURBULENCE」の1曲目を飾る「The Glass Prison」を生で聴いた事がないので、ライヴ中にちょっと期待していたのだが、結局演奏されず、その点は残念であった。途中MCで「BURRN!の人気投票で最優秀アルバムに選んでくれてありがとう」と言っていたが、人気投票の結果など知らなかったので、そういや、おれは今BURRN!全然読んでないなー、メタル離れしちゃってるのかな、と自身の事をちょっと危惧してしまった。

 今回のライヴはクラブなので、やはり観客のノリもいい。おれの周りには、若いのだが80年代以前のメタルやプログレが好きだというような会話をしていた一団がおり、開演前にSEでガンズの「Welcome To The Jungle」が流れると、1曲丸丸裏声で歌っているようなハイテンション振りであった。ネット掲示板などに於いては、最近は割りとそういった観客が疎まれるような書き込みがチラホラあるが、メタルのライヴはお祭のようなものなので、そういうノリのいい若造を見かけると、なんだかおじさん嬉しくなってしまうよ、と思ってしまうようなおれであった。しかし、それにも限度というものはある。4曲目にラブリエのしっとりと歌い上げるヴォーカルが肝要な超名曲であるところの「Surrounded」が演奏されたのだが、その若造どもの内の1人がおれの耳元で、1曲丸ごと歌い切りやがったのである。おれはライヴ中大いに盛り上がって騒ぐことや、合唱するところをガンガン歌うのはむしろ好ましいとすら思うが、よりにもよってこの曲でお前のカラオケを聞かせるのは如何なものかと。何とかおれは右耳を塞ぐことで、ラブリエの美声を捕らえる事に成功して事なきを得たのだが、何事もケースバイケースで対応していただきたい。

 ラブリエの美声といえば、今回の個人的なハイライトはその声の神々しさを堪能することができた「The Spirit Carries On」であった。ストーリー仕立ての名盤「METROPOLIS pt2 : SCENES FROM A MEMORY」の山場の曲である。これを生で聴くのは初めてだったが、おれが観ていないライヴなどでは結構演奏頻度が高い、ファンの間でも人気の曲である。演奏に先立って、ラブリエがMCでこの曲を歌う説明をした。「イカれたコンセプトかも知んないけど、魂が太陽の周りを炎となって回って、そしてまた地上に戻ってくるって、結構本気で思ってるよ」と、この曲のテーマである輪廻転生について語っていたが、直接言及はしなかったものの、おそらくは昨年の震災を念頭に置いての言葉だったのではないかと思う。彼らは94年の日本ツアー中、大阪に滞在している時に阪神淡路大震災に遭遇しているのも有名な話だ。その頃にラブリエは喉を痛めてしまい、この時の来日ツアーでの歌唱は酷いものであった。折も悪く、このときの大宮公演がBSで生中継されてしまい、それを観たおれはなんだかガッカリしたのを覚えている。その後、2004年辺りまで緩やかではあるがその歌唱が回復傾向にあったものの、今ひとつ物足りない歌であったことは否めない。最初の武道館でも「思ったほどは悪くなかったけど…」というのが正直な感想であった。しかし、2006年には完全に復調した歌唱を聴けて「こいつはスゲエ!」と大喜びをしたものである。それ以降、彼の歌唱は常に高い水準を保っている。LED ZEPPELINなども、72年の前半のUSツアーまでがロバート・プラントの声のピークであり、同年の日本ツアーから彼の高音は出なくなってしまい、それ以降回復しなかったが、ラブリエはそれを克服したのである。それを思うと、彼の歌声を聴くこと自体が凄く貴重な経験に思えてくる。その彼が想う、人の体から離れて行った多くの魂が巡っていくというこの歌は、この日の観客の心に強く響いていたのではないか。曲が終わると、後ろのカラオケ兄ちゃんは感極まっていたのか、嗚咽を漏らしていた。さすがにこの曲では終盤の観客で合唱したところ以外全く歌わず、ラブリエの歌声にじっと聴き入っていたのであろう。2階席の最前列にいた伊藤セーソク先生の名文「泣くがいい、声を上げて泣くがいい」を想起させるものがあった。おれの友人も終演後に「Spirit Carries On聴いて、泣きそうになっちゃったよ」「Facebookに『今日のライヴでThe Spirits Carries Onやったら、死んでもいい』って書いちゃったんだよね」と言っていたが、彼奴もこの曲には思い入れがある。自分の結婚式のフィナーレにこの曲を流していたのだ。おれが後日「『もし自分が明日死んじゃったら』なんて曲を結婚式に流すのは縁起悪くねえか?」と言ったことがあるが、彼奴は「いいんだよ。どうせ俺の方が先に死ぬんだし(細君は大分年が下)。だったら魂は不滅だって思ってたほうがいいじゃん」と飄々と答えていたのだった。
DREAM THEATER「The Spirit Carries On」Live


 久々のメタルのライヴが斯様に充実した内容であったのは、非常に喜ばしい事であった。次の来日公演が非常に楽しみであるし、また是非オールスタンディング会場での開催を期待したい。
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※今回のチケットとグッズ(パンフ、Tシャツ、キーチェーン)。パンフは昨年のUSツアーのものをそのまま流用しているので、表紙には「2011」と表記されている。キーチェーンはなかなかしっかり作ってあり、中央のエンブレムの部分が回転するようになっている。

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※パンフは上記の理由により全文英文となっているが、各メンバーのツアーで使用している楽器が記載されている。ギターやベースは勿論、すべてのドラム、アンプ、エフェクターはもとより、マイクやマイクスタンドまで何を使っているかが書いてある。友人は今回の購入を見送ったが、帰りの車中で機材が全部載ってる旨を伝えると「横浜公演のとき、パンフ買うわ」とのことであった。


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※メジャーからドロップした彼らが復活の凱歌を上げた名盤と名高いトータルコンセプトアルバム「METROPOLIS pt2 : SCENES FROM A MEMORY」を完全再現したライヴを収めたDVD。アルバムのプロモーションビデオ的な内容でもある。


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※おれが初めて生で彼らを観た公演を全編に収めた作品。ドキュメンタリーがなかなか面白い。90年代のアメリカの音楽シーンで挫折寸前まで追い詰められていく様が語られている。


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※もっとも充実した時期のライヴ。第2部ではオーケストラを従えての40分超の組曲「Six Degrees Of Inner Turbulence」を演奏。正直、オーケストラのリハーサル不足が露呈してしまっているが、バンドの演奏に引っ張られるかのようにどんどん尻上りに調子を上げていく様を観るのは爽快。 
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