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マイケル・シェンカーが来日する

 3月に神であるところのマイケル・シェンカーがやってくる。MICHAEL SCHENKER GROUP(MSG)ではなく、ソロ名義のようだが、MSGとソロ名義にどれほどの差があるのかはよくわからない。しかも近頃は80年代後半にロビン・マコーリーと組んでいたMcAULEY SCHENKER GROUPを再結成していたので、なにやら訳がわからんことになっているのであるが、神の周りはいつも混沌としているので驚くには値しない。とにかく最近のライヴの巡り合わせが悪く、メタルのライヴが一向に観られない日々が続いてる。JUDAS PRIESTもダメ、OPETHもダメ、NUCLEAR ASSAULTもダメ…マイケル・シェンカーは果たしてどうだろうか。しかし、OPETHは本当に巡り合わせが悪い。とても観たいのに、初来日からすべて予定が合わないのである。
OPETH 「Ghost Of Perdition」Live

※しっかし、このアンサンブルには惚れ惚れする。凄すぎ。

 マイケル・シェンカーの東京公演といえば、中野サンプラザ公演と相場が決まっており、今回もやはり中野サンプラザで2公演行なわれる。しかも、この会場では2回ほど神がライヴを途中で放棄して中止となっている会場であり、来日公演で会場が中野サンプラザと発表される度、「また“ご乱心”があるんじゃね?」とファンをやきもきさせるにも拘らず、毎回中野サンプラザなのである。神はよほどここが気に入ってるのだろうか。だったら失踪すんなと言いたいところだが、神の繊細な心の機微など凡人の我々には推し量ることすらできないのである。OASISが福岡に来ると必ずリアムが途中でいなくなるのも、同じような感じなのだろうか。しかし、OASISは替わりにノエルが歌って続行できるからいいようなものの、MSGでは誰も神の代わりをすることはできないのである。
 神が中野サンプラザで最初に失踪したのは1998年の4月、再結成UFOの来日公演、中野サンプラザ3DAYSの初日。前週のUSツアーでも途中降板をやらかし、不安を抱えての来日だったが、大阪・名古屋公演を無事終え、ファンはほっと胸を撫で下ろしていた。そして続く東京公演の初日だったが、この日は虫の居所が悪かった神は7曲目終了後にマイクに向かって「sorry」とつぶやくと、あのモノトーンのフライングVを床に叩きつけステージから失踪。ライヴは中止となり、残りの2日の日程もキャンセルされた。マイケルはそのときのことを振り返り、「あのときは病気だったんだ」と語ったが、ファンは神が病気だ、それも山本晋也カントクのいう“ほとんどビョーキ”のニュアンスの方の、というのは何となくわかっていた。そのとき更に「実はあのあと楽屋でポール・レイモンド(UFOのサイドギタリスト)と喧嘩になって指を折られたんだ。だから残りの日程もキャンセルせざるを得なかった」とも言ってるが、件のライヴの1ヶ月後にはG3(ジョー・サトリアーニ、ウリ・ジョン・ロートとのジョイントツアー)に出ているし、その後も2年ほどUFOに在籍していたので、指を折られたというのは俄かには信じがたいものだったが、神を疑うわけにはいかないので、「ポール・レイモンドは神の指を折った凄い奴」という武勇伝にしておこうということになった。
 UFO 「Lights Out」Live

※70年代のUFO。神は既に精神的に蝕まれている脱退寸前の時期だが、狂気を孕んだギタープレイは鬼気迫るものがあり「精神的にやばいときの神の演奏は凄い」という定説ができてしまった。
 
 次に神が中野でご乱心あそばされたのは、2006年の11月のMSG来日公演。2000年の来日公演は滞りなく済んだものの、その後も世界各国で失踪騒ぎやら、客やメンバー、スタッフとの喧嘩や揉め事、家庭問題、数々の違約金賠償金慰謝料による無一文状態、など、神の周りにいいニュースは殆ど聞かれなかった。先述のUFOのころに較べ、格段にインターネット環境が進歩したため、こういったニュースは逐一ファンの元に届けられていたのである。来日公演の話も出てきては立ち消えるというのを繰り返し、ようやく実現したMSGの公演だったが、8年前にUFOで失踪騒ぎを起こした中野サンプラザが会場ということで(2000年の東京公演は赤坂ブリッツだった)、来日前からおかしな予感はファンの間でもあったらしく、当時のマイケル・シェンカー関連の掲示板では「サンプラザだからまたやらかすんじゃないか」という話題は出ていた。例によって、大阪と名古屋の公演は滞りなく済み、鬼門である中野サンプラザ公演。初日は神のご機嫌も麗しく、特に問題も起きずに公演は済んだ。この結果をファンは喜び、同時にやや拍子抜けしたような雰囲気だった。しかし、ご機嫌のよかった神はこの日の晩に飲みまくってしまい、次の日には二日酔いの状態になっていたのである。そして中野の2日目の公演は名曲「Assault Attack」のボロボロ演奏(神のみ。他のメンバーは絶好調だったそうだ)で幕を開け、客も「これはやばいのでは」と感じ、2曲目が終了したところで神が袖に引っ込む。ああ、これで終わりかと思ったところに、3分ほどして神がステージに復帰。客はホッとしたのも束の間、「Let It Roll」演奏途中で神はギターを床に置き去りにして退散。ステージ上のメンバーは健気に演奏を続け、「Let It Roll」を完奏するも、神がステージに戻ってくることはなく、主催者サイドから、神が体調不良のため演奏が続けられない状態である旨が告げられ、公演終了となったのであった。2度目となると客も慣れたもので、少々の怒号はあったものの「神だから仕方ないよね」みたいな雰囲気だったという。尚、翌日の札幌公演は普通に行われた。前回のUFOは中止になった公演の分は払い戻しになったが、このときのMSGは翌年2月に振替公演が行なわれ、こちらは無事に行われたとのことであり、これに付随して行われたSHIBUYA-AX公演は非常に素晴しい内容だったという。災い転じて福となすといったところか、さすがは神である。その後も2010年に再来日し、MSGの初代ヴォーカリストにして、かつて「歌が下手だから」という身も蓋もない理由で解雇した事のある盟友ゲイリー・バーデンをヴォーカルに迎えて、やはり中野サンプラザで公演を行なったが、無事公演を終了させることができた。
 MSG 「Rock Bottom」Live

※2010年の中野サンプラザ公演。こんな素晴しい演奏聴かされたら、そりゃライヴに行きたくなっちゃうでしょう。

 神の日本(に限らず、世界中どこでもやらかしてはいるのだが)でのこういったゴタゴタは今に始まったことではなく、83年の2度目の来日の際の武道館公演で、棒立ちの最前列の客に腹を立て「金を返してやるから帰れ!」と怒鳴りつけたりしたこともある。そのときに発した「Come On JAP!Fuck You!」という叫びがそのままこの公演の海賊盤のタイトルになっていたりもする。確かに関係者だかギョーカイ人だかがコネで取った最前席の客というのは総じて地蔵状態で、おれも「おまえらそんなに興味ないんだったらその席おれに譲れ」と思ったことは何度もある。そういった連中に神もご立腹だったとのことでファンの溜飲を下げたのだが、可哀相なのがこのとき武道館に観に来ていたLOUDNESSのマー君と故・ひぐっつぁんで、話に尾鰭が付いて「ラウドネスの山下と樋口がエラソーに最前列で腕組みして観てたから神が怒った」などというデマが流され、とんだとばっちりを受ける羽目になった。更に悪いことは続くもので、そのあと行われた横浜公演ではファンがプレゼントをステージに投げ込んだところ、誤ってそれが神の額にぶつかり、怒った神が袖に引っ込んでしまうというハプニングもあった。
 神がこういった繊細な心の持ち主というのはそれ以前からよく知られていたことであり、それを証明しているのが、先述の83年の来日直前に「FMレコパル」という雑誌に掲載された「マイケル・シェンカー物語」という漫画である。おそらくは、来日公演の宣伝目的で掲載された漫画なのだろうが、それにしては異様な雰囲気を持った作品である。
P1 P2 P3 P4 P5 P6 P7 P8 P9 P10 P11
 現在はよくわからんが、おれが学生のころは週刊少年マガジンなどではその当時のスポーツ選手などの伝記漫画が年に数回掲載されていた記憶がある。「辰吉丈一郎物語」だの「ラモス瑠偉物語」だの、そういった類のもので、主人公が苦労の末に成功を収めるというありふれた構成で、大概主人公と敵対する人物は異常に悪く描かれていたりするものの、それなりに読後感のすっきりした前向きな作品が多かったが、この「マイケル・シェンカー物語」はご覧の有様である。発狂した神が兄妹の目の前でフライングVを粉々に破壊し、うつろな表情でよだれをたらしている表情などは異様である。そのまま精神病院で治療を受け、退院して、復活してめでたしめでたし、かと思いきや、兄妹はまだまだ不安げである。そして2度目の来日公演が行なわれることを告知して漫画は終わるのだが、そこにルドルフ・シェンカーの「(マイケルは)これからも不運の宿命を背負って生きていかねばならないだろう」というあまりにも不吉な台詞が重なるという、読者の不安をかきたてるような作品が掲載されてしまったわけである。しかも作品で言われたとおり、この後も実際に不運の宿命を背負っているとしか言いようのない人生を送ってしまっているのだから、この漫画の作者は慧眼であったと言わざるを得ない。
 実際はMSGやUFOよりも商業的に成功しているSCORPIONSのメンバーとして多忙であったルドルフが、この漫画のように神に付きっ切りだったとは考えにくいが、とにかく神よりもルドルフ兄さんの善人っぷりが泣ける作品であった。さすがは世界一のリズムギタリスト、いぶし銀の存在感は今も昔も変わらぬ味を持っている。
MSG & KLAUS MEINE,RUDOLF SCHENKER 「Doctor Doctor」Live

※西武球場にてシェンカー兄弟が揃って演奏するUFOの名曲。クラウスが存在感ありすぎて、レイ・ケネディの空気っぷりが気の毒。 


Ghost ReveriesGhost Reveries
(2005/08/30)
Opeth

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※OPETHの傑作!プロデューサーはPORCUPINE TREEのスティーヴン・ウィルソンとあって、プログレッシヴかつエレガント。

PhenomenonPhenomenon
(2007/12/04)
UFO

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※神在籍時のUFOのライヴアルバム。ハードロックの名ライヴ盤紹介記事では必ず登場する定番作品。

ライヴ・イン・トウキョウ 2010~MSG 30周年記念コンサート [DVD]ライヴ・イン・トウキョウ 2010~MSG 30周年記念コンサート [DVD]
(2010/09/15)
マイケル・シェンカー・グループ

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※2010年の中野サンプラザ公演のDVD。ギブソンではなく、ディーンのシグネチュアフライングVを駆る現在の神のベストなプレイが観られる貴重な作品。いや、最近はなかなかいい演奏自体がすくな(以下略)・・・
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