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スコットランドから来た東京

tokyostaut.jpgスコットランドにある変なブリュワリー「Brew Dog」製のビール「TOKYO」が手に入った。販売店によっては「TOKYO★スタウト」あるいは「TOKYO★ストロングスタウト」などと呼んでいたりするが、どれも同じ商品である。
 何故TOKYOという名前なのかというと、作った人が80年代に東京のゲーセンでスペースインベーダーをプレイしたことから着想を得て、この名前になったそうだ。なんともわかりにくい。ラベルのロゴは白文字の中にOの中丸のところが赤いという日章旗を模したデザインになっている。
tokyostaut01.jpg裏のラベルを見ると「Brew Dog:Beer for Punks」と書いてある。どうもこの会社、パンクス向けにビールを作っていると自称しているようだ。Brew Dogのラインナップをみると、「PUNK IPA」というIPA(インディアンペールエール)があり、その高アルコール版「HARDCORE IPA」というものもある。なるほど、パンクだ。なんともわかりやすい。
 さて、このTOKYOだが何が凄いかって、そのアルコール度数だ。18.2%。平均的なワインや日本酒よりも高い、焼酎に近い度数である。同社のHARDCORE IPAも9.2%とビールとしてはかなり高い度数だが、その2倍。なんとも恐ろしい数字だ。
 TOKYOはBrew Dogのレギュラーラインでは最も高い度数を誇っているが、この会社の限定商品には「TACTICAL NUCLEAR PENGUIN」という物騒な名前のビールがあり、それは度数32%というとんでもない代物である。同社製品に「PARADOX」というウィスキー用の樽で熟成させたビールがあり、これも10%と高い度数のものだが、それにアイスボック(ビールを凍らせて、凝固しなかったアルコール濃度の濃い部分を抽出する手法)を施したものがTACTICAL NUCLEAR PENGUINである。アイスクリーム工場を間借りて作られたことからペンギンの名がついたのであろう。戦略核というのはその度数の高さから連想されたのだろうが、反核をモットーとする者が多いパンクス向けのブリュワリーがこういう名前の商品を作るのは……いや、この予定調和を嫌う行動こそがBrewDogなりのパンク精神なのだろう。D.I.Y精神を発揮した商品なので、500本のみの製造だったそうである。
 しかし、このブリュワリーは本当にイカれていて、TACTICAL NUCLEAR PENGUINに更にアイスボックを施し、度数を41%まで高めた「SINK THE BISMARCK」なるビールまで作ってしまった。やはりこれも500本限定だったそうだが、パンクス向けブリュワリーが右翼的というか、イギリスの保守層が泣いて喜ぶような商品名をつけてしまっているが、そのあたりは戦勝国の余裕といったところか。日本のブリュワーが旭日旗をラベルにした「SINK THE PRINCE OF WALES」なんてビールを作ったらどうなってしまうだろうか?国内外で非難囂々だろうけど、アイルランドだけで大受けするなんてこともありそう。最後にアメリカが「SINK THE YAMATO」を出しておしまいになると。嗚呼、大艦巨砲主義は遠くなりにけり。
tokyostaut02.jpgパンクなビールの栓をガンズの栓抜きで抜く。うむ。それにしてもこの王冠が恰好いい。イギリスのパンクス連中がアクセサリーにしていそうな感じだ。
tokyostaut03.jpg注いでみると泡立ちがクリーミーで滑らか。黒ビールらしく泡がほんのり茶色がかっている。どうもピントが後ろのポットの方に合ってしまっていて、ビールがボケてしまった。香りがフルーティなのはクランベリーやジャスミンを使っているせいか。焦がした樫のチップを漬け込むとのことで、先ほどのフルーティさと相俟ってブランデーのような風味が感じられる。味は非常に濃厚で苦味酸味ともに強いのに、なんか巧く丸め込まれてしまっていて嫌味がない。要は高アルコールで味が濃いのに、口当たりがよくて非常に飲み易いということだ。これはタチが悪い。女性はこれを飲ませようとする男には気をつけたほうが宜しい。
これを受け止められるアテはチーズがよさそうだが、冷蔵庫の中にあるチーズはハードなグラダパダーノのみ。というわけで、パスタを作ってチーズをおろしてかけて食べるのがよいと事前に察知していたので、予めほうれん草クリームソースと鶏胸肉のフェットチーネを作っておいた。
tokyostaut04.jpg濃厚なクリームソースはこのビールの濃さに負けていない。ベーコンではなく鶏胸肉を使うことでくどくならずちょうどいい感じ。ほうれん草の苦味とパスタの麦の風味が、ホップの苦味と麦芽の風味と重なり、美味しくいただくことができた。が、直後に凄まじく強烈な眠気が。やはり一筋縄ではいかないパンクなビールであった。

 パンクなビールを飲むときのBGMは、やっぱこれでしょう。
EXTINCT GOVERNMENT「Addicted Punk & Beer」
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