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MANSINTHE

 深作欣二監督の『いつかギラギラする日』という映画で、ショーケン(萩原健一)演じる主人公が、表向きは靴屋を経営している武器商人(安岡力也)のところでアブサンを振舞われるシーンがある。何分かなり昔に見た記憶なので台詞ははっきりと覚えていないのだが、安岡が「悪魔の酒よ。日本中探してもこれしかねえ。これがラストショットだ」等と言っていたと思う。
 近年、おれはアブサンをよく飲むようになった。ある日、近所にあるトライアルマートに買い物に出かけたところ、缶ギネスを買おうと酒類売り場をのぞいたら、廉価品の箱の中にアブサン(「アブサント55」という銘柄のもの)が置いてあったのだ。そこで先の映画のシーンを思い出したのである。「あれ?アブサンって禁制品じゃなかったっけ?」
 別にその映画がそれほど好きなわけでもなかったのだが、よくもそんなことを覚えていたものである。やはりこの映画がちょっとメタルな映画だったせいだろう。そのアブサンのシーンのすぐあとに、ショーケンがメタルバンドの練習場に行って、敵対関係となったライブハウスのオーナー(木村一八)の行方を訊きにまわるのだが、そのバンドがJACKSN' JOKERだったのであった。ちゃんと台詞もある役で、ギターのTATSU(元GASTUNK)とベースのRADY(恩田快人。元PRESENCE。後にJUDY AND MARY)がショーケンに殴られるシーンもあった。JACKSN' JOKERのライヴシーンもフィーチュアされてて、そのシーンのエキストラにYUKIがいたことがきっかけとなり、後にJUDY AND MARYが結成されることになったりしていたので、今にして思えば結構重要な映画やんけ、などと思いつつも、まだ観返してはいなかったりするのであった。そのくせ、恩田氏の前のバンドであるPRESENCEが出演した映画「魔女卵」は何回も観てたりするから始末に終えないと思う。大阪に住む普通の女子高生がひょんなことからPRESENCEのライヴを観てメタルにハマって不良になり、何故か「ナンシー・スパンゲンになるんや」などとジャンル違いのことを言い出して、結局ミナミの飲み屋のママになるという、NANAなんぞ全く問題にならないくらいのイカれっぷりをみせたスットコドッコイな映画であるので、是非一度観てほしい。

 さて、アブサンであるが、確かに原産国である欧州で長らく禁制だったのだが、近年、含有物質の基準を守ることで製造が再開されていたそうである。そのおかげでこんな近所の量販店でも手に入るようになった訳だ。
 前述のメタルな映画にでてくる酒であるから、当然メタルなアブサンというのも存在するわけであり、マリリン・マンソンがプロデュースした「マンサン(MANSINTHE)」なるものがそれである。手に入ったので、3月18日に平ハウスで行われたライヴのときに持参し、そこで封を開ける事にした。
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※平ハウスの厨房にて。左からアブサント55。MANSINTHE。AC/DCのジョッキ入りビール。アブサンはまさに「Highway To Hell」な酒である。

 字の如く、マンソン(MANSON)とアブサン(ABSINTHE)を合わせた商品名であるが、マンソンも単なる名義貸しではなく、自身がアブサンマニアであることから、本格的に製造に関わっていたようである。使用する薬草の品目や割合なども彼自身のレシピであるそうだ。瓶のラベルにある水彩画も彼自身の筆によるものである。滅茶苦茶絵が巧いのでちょっと驚いた。なんとも多才な人である。そしてアルコール度数は66.6度。当然、獣の数字666にちなんだものであろう。メタルである。
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 アブサンの飲み方は変わっていて、グラスに注いだ後、アブサンスプーンなる穴の開いたスプーンの上に角砂糖を乗せたものをグラスの上に置き、ファウンテンと呼ばれる専用の給水器を使って、少しずつ角砂糖に水を注いで溶かしながら水割りを作って、最後にアブサンスプーンでかき混ぜて飲むのである。しかし、ファウンテンを現在所持していないのであった。ガラス製のそれは地震で倒れてしまい、割れてしまったのである。3.11の時は耐えたのだが、その翌月の大きな余震の時に無残な姿となったのであった。しかもそれが結構な値段がするものであり、震災後の貧乏生活ではとても手が出ない代物なのである。今でも大きな余震がしばしば起こるため、無理して買ったところでまた壊してしまうかと思うと、尚のこと手が出ない。なんとか固定して保管できるようになるまでは購入を見送ることにしている。
 ファウンテンがない現在は、砂糖を溶かしやすい、俗に「チェコスタイル」或いは「ボヘミアンスタイル」と呼ばれる方法を用いている。

 まず、グラスは空のまま、アブサンスプーンと角砂糖をセッティングし、その上からアブサンを注ぎ入れる。
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アブサンが染込んだ角砂糖に火をつける。
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 火が消えたら、熱で溶けた砂糖を流し込むように冷水をゆっくり注ぐ。
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 アブサンは水と混ざると白濁する性質があり、先ほどまで透明(写真だと無色に見えるが、実際はやや緑がかっている)だったグラスの中の液体が白くなっている。これをアブサンスプーンでかき混ぜて飲むわけだ。

 チェコスタイルはある程度高い度数のアブサンでないとすぐに火が消えてしまうので、アブサント55(55度。飲む分には充分に高すぎる度数であるが)にはあまり向かない。しかし、アブサント55はそれ自体が甘いため、砂糖を追加する必要はないと思う。

 肝心の味だが、おれ個人は好きな味ではあるけども、かなり好き嫌いがあると思う。この日対バンした仙台のハードコアバンドDRAGON × SCREWのギタリストのRYOくんはかなり苦手なようであった。「以前スポイトがついているやつ(おそらく「エクストリームアブサント」という銘柄。70度)のアブサンを飲んだことがあって、歯磨き粉みたいでまるっきりダメでした」と言っていたが、マンサンもやはり同様だったようである。一方、ウチのラーチカさんはかなり好きな味なようで、よしやさんに「これ飲んでみ?」と水割りにしたアブサンを飲まされたら気に入ってしまったのだが、それが水割りであったと知らず、黙って瓶から直接注いでストレートで飲んだところ、度数の高さをまともに受け、死にそうな目に遭っていた。幸いにしてラーチカさんが飲んだのは55度のアブサント55であったが、66.6度のマンサンだったらもっと酷いことになったであろう。マンサンはアブサント55の倍以上の値段の為、そちらを飲んでくれておれとしても幸いであった。比較的安いとはいえ、アブサント55はかなり飲みやすく、こちらもおれのお気に入りである。前述の如くアブサント55自体にかなり甘味が付いている為、砂糖を入れずに水割りにしたり、プレーンソーダで割っても旨い。どこぞのサイトで見た「氷結ストロング割」も中々旨かったが、これを飲むと次の日がえらいことになるので今は控えている。第一、おれは酒が弱いのである。

 アブサンに必ず使われる、主成分といってもいい薬草はニガヨモギであるが、ニガヨモギはロシア語で「チェルノブイリ」という。これ、豆知識な。…って実際は、ニガヨモギとはまた別のかなり近縁種のヨモギの一種がチェルノブイリで、ニガヨモギは「ポルィーニ」というらしい。得意気に吹聴しなくてよかった。アブサンなんぞにハマったから原発事故が起きたんだ、などという縁起の悪い悩みを抱えずに済んでひと安心である。
MARILYN MANSON 「MANSINTHE」
 
※番組の作りからして、多分、MTVのオールタイムベストソング系の番組だと思う。「マンサン」がちょっと紹介されている。

 MARILYN MANSON「Beautiful People」PV

※↑の動画で一部が流されてたPV。マンソンの代表作であろう、2ndアルバム「ANTICHRIST SUPERSTAR」収録曲ではタイトルトラックと並ぶ人気の曲である。


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「メタルは負け犬の音楽だ、惨めったらしく最期まで生き抜いてやる」 by デイヴ・ムステイン

 2012年2月14日、国生さゆり姐さんの再婚で祝賀ムードの中、一つの動きがあった。

 【バレンタイン決行】 全国のコンビニでうまい棒買い占め大作戦!

 2月14日の17:00~21:35にかけて、全国のローソンにてうまい棒を買い占めようというムーブメントが起きていたのだ。要はバレンタインチョコレートをもらえない非リア充によるお祭り騒ぎである。何故かローソンという指名があり、それに業を煮やしたあるセブンイレブンの一店舗は、「集え!非リア充 2.14はうまい棒の日」という特設コーナーまで作る始末。瞬間最大風速的に盛り上がった祭りだったが、実際のところはバレンタインの牙城を崩すことはできなかったようであった。

 J-CASTニュース“「非リア充」の「バレンタインデー革命」 「うまい棒」ヤケクソ買占めの成否は?”


 実に馬鹿馬鹿しい騒動であるが、そういう馬鹿馬鹿しい事にエネルギーが注げるというのは素晴しい事である。この祭りに参加した非リアたちに幸多からんことを。そして、リア充の癖に「おれって非リアだからさあ」とかぬかしてこの祭りにしれっと参加した奴は、うまい棒とチョコレートを食いすぎて糖尿病になってしまえばよろしい。リア充の癖に「リア充お断り」などというイベントを主催しているいわきburrowsのH店長が、子供が生まれたばかりなのにそんな目に遭ったら大変なので、この祭りに参加していないことを祈るばかりである。
 国生さゆりwithおニャン子クラブ 「バレンタイン・キッス」

※国生姐さんの前髪が気になって仕方がない。あと出演者のクレジットに土屋昌巳が出ているのも気になる

 さて、おれだが、今年のバレンタインは最大限楽しませてもらった。勿論チョコなど1つも貰ってはいないが、だったら作ってしまえと、14日の仕事を終えた後、チョコレート菓子を自作したのである。バレンタイン定番の手づくりチョコなど、ただ溶かしたチョコレートを型に流し込んで成形し直しただけであるが、おれはそこにひと手間加える。溶かしたチョコレートに卵黄を加え、コクを出す。そして、卵白を泡立てたメレンゲと混ぜ合わせる。それを冷やせばチョコレートムースになるだが、今回はココットに入れてオーブンで焼いてみた。ガトー・オ・ショコラから小麦粉を抜いたようなものである。職場の厨房にガスのコンべクションオーブンがあるので、使わせていただいた。
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 天板の錆が気になるが、菓子のできばえには何ら支障がない。なかなかに旨そうであるが、ココットが熱いので、荒熱がとれるまで待つ。その間に飲み物を準備する。チョコレート菓子には紅茶かコーヒーといきたいところだが、もう夜の11時を回っていたので、カフェイン飲料で目が冴えないように、今回はビールを用意した。「チョコケーキにビール?」とお思いの方もいるだろうが、勿論、ただのビールではござんせん。今回用意したビールはベルギーのブーン醸造所製のランビック、「ブーン・フランボワーズ」である。その名の通り、ランビック(自然発酵させたビール)にフランボワーズ(木苺・ラズベリー)を漬けたものをさらに発行させたビールで、非常に酸味が強くフルーティな味わいのビールである。
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 ワインのようにコルクで栓がしてあり、やはりワインのような色で、尚且つビールであることを主張するクリーミーな泡。香りもまるでビールらしさを感じさせない、甘酸っぱい香りである。グラスがブーンの商売敵であるところのシメイのものであるのはご愛嬌。聖ヴァレンティヌスと、この日に敢えなく討ち死にを果たした非リア充の同志の皆に乾杯を捧げ、ガトー・オ・ショコラもどきを食す。手前味噌ながら非常に旨かった。通常の商店で買うガトー・オ・ショコラと違い焼きたてなので、口当たりが軽く、外側がサクサクして内側がふんわりしている。小麦粉を使ってないので尚のこと軽さを感じられる。小麦粉もバターも使ってないので脂質や炭水化物が大幅にカットされているが、玉子を使っているため、物足りなさは全く感じられず、非常に満足のいく出来だった。ブーン・フランボワーズがこれまたよく合う。ブーンの酸味とケーキのほんのり苦味を感じる甘さがベストマッチである。酒のいしかわでも最後の1本だったので買えて良かった。満足である。
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 いや、充実したバレンタイン・デーであった。敗残者は敗残者なりに大いに楽しむことができたわけである。夕方にニコニコ動画から「バレンタイン中止のお知らせ」などというメールが来たが、そんな後ろ向きな姿勢ではいけない。直面した現実を無視するのではなく、うまい棒買い占め部隊のように現状を変えるべく戦うか、おれのように現状を受けいれ、それを最大限に楽しむか。決してバレンタイン・デーに限ったことではなく、人生を楽しむ姿勢の在り方なのではないかと思う。

 ガトー・オ・ショコラもどきは2つあったが、もう1個はどうなったかというと、次の日のオヤツになった。
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 今度は昼間だったのでさすがに酒ではなく、コーヒーでいただいた。コーヒーもブラジルの下坂農園(オーナーの下坂氏はいわき出身)の豆「カルモ・シモサカ」のフルシティロースト(深煎り)100%を淹れる直前に挽き、便利なマキネッタ「ムッカ・エキスプレス」で作ったカフェラテである。ムッカは本来カプチーノメーカーとして使うマキネッタであるが、圧力弁を弄ることでカフェラテも作れる優れものである。
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 半日ほど冷蔵庫で休ませたガトー・オ・ショコラもどきは、しっとりして、ガトー・オ・ショコラそのものと言ってもおかしくないものになっていた。写真の断面を見れば一目瞭然である。ガトー・オ・ショコラで粉を使う意味がよくわからなくなってきた…
とにかく焼きたてのサクフワのガトー・オ・ショコラもどきと、時間を置いて本来のガトー・オ・ショコラの味わいと2度楽しめて幸せであった。
 次は来月のホワイト・デーであるが、当然お返しをする相手もいないので、自分用に菓子を買い込む予定である。ナニ、バレンタイン・デーと違って堂々と大の男が菓子を買っても怪しまれないイベントである。しかも大量に買えば買うほど「あの人、バレンタインにたくさんチョコを貰ってお返しが大変なのね」と見栄がはれるというまさに言うこと無しの、甘党おっさんの晴れ舞台なのだ。1ヶ月早く見栄を張ろうとして失敗したおっさんがいたそうだが(非モテ男  バレンタインチョコ自分で1万円分買いモテを装う)、まさにど素人の所業であると言わざるを得ない。玄人は慌てず騒がず、翌月まで待つものなのだ。この記事を読んだ見栄っ張りの非リア充の諸兄よ、本番は2月14日ではなく3月である事を心に留めておかれたい。昨年のこの時期は震災でえらいことになったのだが、予め見栄張り用に買い込んでいた菓子が命を繋ぐ事になったことも、あわせて記しておく。そう、ホワイトデー商戦は3月14日当日なのではなく、3月上旬が真っ盛りなのだ。


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※話のタネに一度はどうぞ。お気に召せば幸いです。

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※牛模様のこのモデルの方がレギュラー商品

ウィルキンソンのジンジャエール

 アサヒからウィルキンソン・ジンジャエールのペットボトル版が発売された。辛口ジンジャーエールで根強いファンの多いウィルキンソンだが、コンビニで手軽に買える事となった。これはそのまま飲むというよりも、シャンディガフやモスコミュールを作るためのミキサードリンクとしての意味合いが強いが、そのまま飲んで強烈な風味を楽しむのも可。
 しかし、「人口甘味料使っててカロリー0にしてる」という情報が入り、これは瓶と同じ感覚で買っていいものかどうか飲み較べてみないとイカンと思い、飲み比べた。
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 グラスに注いでみた感じはまったく同じ。無色透明のカナダドライとは違った麦茶のような色に炭酸が湧いている感じ。メッコール(韓国の炭酸飲料。麦茶に炭酸を加えたような味)ではないので念のため。さて飲んでみると………これまでどおり、瓶を購入することにする。ペットは後味が甘ったるい感じがする。瓶に較べると爽快さが足りない感じがする。残念。まぁ、今でも箱買いしているので、余り影響はないのだが。
ginger03.jpg1箱24本入りで1700円(1本70円ほど)で購入している。

 ついでなのでジンジャービアを自作してみた。
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 全然色が違うというか、砂糖水にしょうが汁混ぜて発酵させたものなのでしょうが汁そのまんまの色である。冷やして飲むと旨い。モスコミュールなどはこれで作るのが正式なものだそうだ。後日、ライヴの打上げのときこれでモスコミュールを作って飲んだが、なるほど旨かった。しかし明くる朝、すっかりぬるくなったジンジャービアを飲むと、はっきり言ってまずかった。お客さんで来ていたDIE YOU BASTARD!の木村和尚も飲んだのだが、やはりおいしそうな顔をしてはいなかった。

チョコレートの日

 チョコレート大好きなおれの14日の戦果は、平ハウス随一のモテ男DJタモツから、幸せのおすそ分けをいただきました。以上。

 岡村靖幸「Peach Time」PV(前編)


岡村靖幸「Peach Time」PV(後編)



 BOXセットの「岡村ちゃん大百科」のDVDにはドラマ部分がカットされての収録であった。残念。岡村ちゃんといい、宇都宮隆といい、当時のエピックソニー所属の人はやたら体のキレがいいのに、変な振り付けをされているのは何故なんだろう?

スコットランドから来た東京

tokyostaut.jpgスコットランドにある変なブリュワリー「Brew Dog」製のビール「TOKYO」が手に入った。販売店によっては「TOKYO★スタウト」あるいは「TOKYO★ストロングスタウト」などと呼んでいたりするが、どれも同じ商品である。
 何故TOKYOという名前なのかというと、作った人が80年代に東京のゲーセンでスペースインベーダーをプレイしたことから着想を得て、この名前になったそうだ。なんともわかりにくい。ラベルのロゴは白文字の中にOの中丸のところが赤いという日章旗を模したデザインになっている。
tokyostaut01.jpg裏のラベルを見ると「Brew Dog:Beer for Punks」と書いてある。どうもこの会社、パンクス向けにビールを作っていると自称しているようだ。Brew Dogのラインナップをみると、「PUNK IPA」というIPA(インディアンペールエール)があり、その高アルコール版「HARDCORE IPA」というものもある。なるほど、パンクだ。なんともわかりやすい。
 さて、このTOKYOだが何が凄いかって、そのアルコール度数だ。18.2%。平均的なワインや日本酒よりも高い、焼酎に近い度数である。同社のHARDCORE IPAも9.2%とビールとしてはかなり高い度数だが、その2倍。なんとも恐ろしい数字だ。
 TOKYOはBrew Dogのレギュラーラインでは最も高い度数を誇っているが、この会社の限定商品には「TACTICAL NUCLEAR PENGUIN」という物騒な名前のビールがあり、それは度数32%というとんでもない代物である。同社製品に「PARADOX」というウィスキー用の樽で熟成させたビールがあり、これも10%と高い度数のものだが、それにアイスボック(ビールを凍らせて、凝固しなかったアルコール濃度の濃い部分を抽出する手法)を施したものがTACTICAL NUCLEAR PENGUINである。アイスクリーム工場を間借りて作られたことからペンギンの名がついたのであろう。戦略核というのはその度数の高さから連想されたのだろうが、反核をモットーとする者が多いパンクス向けのブリュワリーがこういう名前の商品を作るのは……いや、この予定調和を嫌う行動こそがBrewDogなりのパンク精神なのだろう。D.I.Y精神を発揮した商品なので、500本のみの製造だったそうである。
 しかし、このブリュワリーは本当にイカれていて、TACTICAL NUCLEAR PENGUINに更にアイスボックを施し、度数を41%まで高めた「SINK THE BISMARCK」なるビールまで作ってしまった。やはりこれも500本限定だったそうだが、パンクス向けブリュワリーが右翼的というか、イギリスの保守層が泣いて喜ぶような商品名をつけてしまっているが、そのあたりは戦勝国の余裕といったところか。日本のブリュワーが旭日旗をラベルにした「SINK THE PRINCE OF WALES」なんてビールを作ったらどうなってしまうだろうか?国内外で非難囂々だろうけど、アイルランドだけで大受けするなんてこともありそう。最後にアメリカが「SINK THE YAMATO」を出しておしまいになると。嗚呼、大艦巨砲主義は遠くなりにけり。
tokyostaut02.jpgパンクなビールの栓をガンズの栓抜きで抜く。うむ。それにしてもこの王冠が恰好いい。イギリスのパンクス連中がアクセサリーにしていそうな感じだ。
tokyostaut03.jpg注いでみると泡立ちがクリーミーで滑らか。黒ビールらしく泡がほんのり茶色がかっている。どうもピントが後ろのポットの方に合ってしまっていて、ビールがボケてしまった。香りがフルーティなのはクランベリーやジャスミンを使っているせいか。焦がした樫のチップを漬け込むとのことで、先ほどのフルーティさと相俟ってブランデーのような風味が感じられる。味は非常に濃厚で苦味酸味ともに強いのに、なんか巧く丸め込まれてしまっていて嫌味がない。要は高アルコールで味が濃いのに、口当たりがよくて非常に飲み易いということだ。これはタチが悪い。女性はこれを飲ませようとする男には気をつけたほうが宜しい。
これを受け止められるアテはチーズがよさそうだが、冷蔵庫の中にあるチーズはハードなグラダパダーノのみ。というわけで、パスタを作ってチーズをおろしてかけて食べるのがよいと事前に察知していたので、予めほうれん草クリームソースと鶏胸肉のフェットチーネを作っておいた。
tokyostaut04.jpg濃厚なクリームソースはこのビールの濃さに負けていない。ベーコンではなく鶏胸肉を使うことでくどくならずちょうどいい感じ。ほうれん草の苦味とパスタの麦の風味が、ホップの苦味と麦芽の風味と重なり、美味しくいただくことができた。が、直後に凄まじく強烈な眠気が。やはり一筋縄ではいかないパンクなビールであった。

 パンクなビールを飲むときのBGMは、やっぱこれでしょう。
EXTINCT GOVERNMENT「Addicted Punk & Beer」
プロフィール

でー

Author:でー
メタルとか他いろいろなことを
法螺や誇張を交えてつらつらと

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